凧作り・凧揚げ講習 三橋アート

 私の凧作り講習にはこだわりがあります。材料に和紙 (しょうじ紙) と竹を使うことです。薄いビニールに市販のヒノキ棒やストローなどを骨にした簡単な凧も揚がるには揚がりますが、絵が描きにくい・風の強弱に対応できない・簡単にできすぎると作品に愛着がわかずすぐに捨ててしまう・味がないなど欠点が多いものです。教育の一貫として凧作りを考えた場合、糊を貼る・糸を縛る・などの指先を使う訓練、好きな絵を描けるとなると絵を描くことが好きになる、どうしたらよく揚がるか工夫して考える、つまり社会教育上最高の教材だと考えます。

凧作り講習の様子

講習を積み重ねて驚いたことは、子供向け企画だったはずが、60歳から70歳くらいの年配の方々中心になってしまった地域さえあることです。凧の魅力に取り憑かれたおじさんたちが「凧の会」を発足させ、巨大な凧をみんなで作ったりして凧揚げ大会当日は子供そっちのけで楽しんでいます。

この表情

 右の写真をご覧ください。自分で作った凧が揚がった時の本物の達成感、この表情、これが今の子供に、いや現代人全般に欠けているのではないでしょうか。

 

 講習の流れとしてはあらかじめ子供達に凧用の紙を渡して好きな絵を描いておいてもらい、当日私の用意した竹骨・凧糸で作る方法がお薦めです。講習時間は子供の年齢層にもよりますが、1時間半くらいが目安です。時間と場所があればすぐに凧揚げもできます。

 通常の講習料は、20人分以上のセットを購入していただく形になります。それに交通費がプラスされますが、群馬県内の場合は交通費無料です。また、関東以外の遠い地域の場合は距離によって講習料が替ります。当日のスケジュール等も含めて詳細は担当の方との話し合いで決められます。

ダイヤ凧セット 800円 (税別)

セット内容 ●凧用の和紙 (しょうじ紙) ●竹の骨2本 ●凧揚げ用凧糸 (80m) ●糊・ボンド・木綿糸・補強用の紙、等

お申し込み・お問い合わせは下記のフォームへご入力して送信してください。

 

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子供たちと凧を作って40年

 子供達と凧を作りはじめたのが20歳のとき、いわゆる学童保育所形式の群馬県・利根川教室での仕事で、毎年12月・1月・2月の3ヶ月間凧を作り、3月上旬に凧揚げ大会を企画していました。子供の人数が当時は80人くらいでしたから竹を薄く割く技術も早く覚えないと大変でした。1シーズンにこれだけ長期間凧を作ると、新たな発見も技術の上達もありますが、おそらく日本一子供たちの失敗を見てきたと思います。そのおかげで今ではほとんどの子供の凧が揚がるようになりました。

 退職後の今でも小学校・地域の子供会・公民館行事等で子供の笑顔に出会えるのがとても幸せなことだと思います。


 左の写真が初心者にもお薦めのダイヤ凧です。骨2本で糸目も1箇所なので簡単です。普通に作れば尻尾なしでもフワフワと安定して揚がりますが、揚がる角度が低いのが残念です。実はこの凧は日本の凧ではなく、フランクリンという人が雷の中で揚げて雷が電気であることを証明した実験凧でした。前述のように竹を使った凧は多少安定しなくても竹骨をちょっと曲げるだけで調整できるのが利点で、これこそが凧の面白さであり教材として最適である理由です。和紙と竹の温か味と絵の描き易さも魅力です。
 基本のダイヤ凧が作れたら、是非他の凧にも挑戦してほしいものです。特に日本の凧は世界一優秀だと言われています。各都道府県に伝統の凧が根付いているのと、よく揚がる工夫の跡が伺えること、そして何よりも軽くて丈夫な和紙と弾力のある竹の力を存分に発揮しているからです。外国の凧は全般に鳥や昆虫など飛ぶ物の形を題材にしたものが多いのですが、よく揚がるものが少ないです。その点日本の凧は単純な形でありながら、風の逃げ場がうまく工夫されているのが特徴です。

 写真上段真ん中と右の4つの凧が群馬県の凧「剣凧」です。しっぽ無しでも安定して高い角度に揚がる優れ物です。

 左上が恐竜のプテラノドンを実物大の凧にしたもので、全長9mあります。一度揚がると風が止まっても飛行機のように滑空するのには驚きました。恐竜の体の造りが飛行機と同じ仕組みということでしょうか。

 下の写真は凧作り講習の様子です。親子で参加は嬉しいことですが、ついつい子供のやるべきことに手を出し過ぎるのも困ります。場所があれば講習後に凧揚げもできました